特集 綜合保健と公衆衛生看護活動
海外事情
デンマークおよびイギリスの公衆衛生看護活動—その実情と考え方
野沢 園子
1
1国立公衆衛生院
pp.509-513
発行日 1965年9月15日
Published Date 1965/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203109
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I.デンマークにおける公衆衛生看護活動
北欧諸国のうち特にデンマークにおける公衆衛生看護活動について述べる前に,その背景として一般的な情報および保健事情の概略をご紹介したいと思う。デンマークは人口わずか460万(東京の人口の約1/2),その約1/3が首部コペンハーゲンに集中し,面積は西海岸を除いてほとんど人の住めないGleenlandおよびFaroe Islandを除いて,北海道の約3/5に相当する43,000平方粁を有している。人口密度は103(日本255),人口構成の65歳以上が占める割合は10.4パーセント(日本6パーセントである。職業別人口は産業関係約30パーセント,農業20パーセントとなっている。気候は夏摂氏17〜8度,約半年間が冬でこの寒い気候に耐えるには暖房完備の重厚な住宅が必要である。そして日照時間のうち40パーセントが日射時間という太陽の貴重な国である。国民所得は第1表に示すようにわが国の約3倍,生活形態では複合家族はみられず単純家族として生活を営なんでいる。結婚年令は比較的若く,女子の職場進出もめざましく,人口の都会への流入によって住宅不足も問題となってきている。
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