特集 綜合保健と公衆衛生看護活動
主題
公衆衛生看護活動の本質と実態
木下 安子
1
1東京大学保健学科
pp.500-508
発行日 1965年9月15日
Published Date 1965/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203108
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□まえがき
医療制度調査会の答申1)などにより包括的医療あるいは綜合保健医療(Comprehensive Health Care)の実現が叫ばれる時代となり,何らかの期待が保健婦にむけられてきているようである。しかし,保健婦は治療と予防の一本化という観点から常に実践してきたことであって特に目新しいことがらでもなく,綜合的な人々の健康生活樹立のための活動とは将来像・未来像ではない。しかも現状のように医療と公衆衛生が切りはなされた中で,この実を結ばせることは苦労な能率の悪い仕事である。それでも地道に日々,地域で努力が続けられているのだといいたい。この与えられた機会に,あまりにも平凡なことあたりまえすぎることである「保健婦の仕事」というもの,その中核である「保健指導」という仕事を,もう一度あらためて見なおしてみることも無駄ではあるまい。
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