特集 綜合保健と公衆衛生看護活動
主題参加
公衆衛生看護活動はいかに推進されるか
病院における公衆衛生看護活動
小林 ゆき
1
1日赤中央病院保健指導部
pp.537-539
発行日 1965年9月15日
Published Date 1965/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203118
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届け出制でない疾病への管理はいかにすべきか
現在私が働いている所は病床数727床,外来患者数1日約1,200余名を持つ綜合病院である。保健医療従事者数約700余名,うち専門的従事者約450名,間接的従事者約250余名である。その中にあって当係は下記の業務を行っている。健康相談は乳幼児,妊婦,主婦,慢性疾患が対象であり,家庭訪問は乳幼児,慢性疾患が主なるものである。保健婦6名,事務員1名にして従事しているが相談数は患者数(入院,外来共)の5%にすぎない。これも表面上にあらわれたニードに対して行っているのであるから潜在しているニードははるかに大きいものと考えられる。比較的恵まれた医療機関内でもこのようであるから連繋の重要性を痛感する。では現実的にはどうしたら良いのだろうか。先ず一番に取り上げたいのは,法的に届出制のない疾病患者の管理である。特に問題となるのは治療中止患者である。把握方法は診療機関では患者記録の中から,保健婦であれば家族健康管理の中から引き出される。しかし診療機関殊に外来においては記録は専ら医療費請求の資料として活用されそこまで追及していないのが多い。経済的な基盤がなければ動きのとれないのは当然の事であるが,考え方によっても左右される。医療目的は患者を健康な状態にするのであるから,大いに阻害する因子は取除く努力が必要である。
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