特集 綜合保健活動と保健従事者
綜合保健活動と医学教育
北 博正
1
1東京医科歯科大学
pp.443-446
発行日 1965年8月15日
Published Date 1965/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203086
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■はじめに
綜合保健活動というものを,医師をはじめ種々のパラメジカルの職種の人々のチーム・ワークと考え,さらに対象集団の人々も,これに参加するものと,素朴に考えた場合,この活動における医師の立場,ないしは役割というものをまず考えてみる必要がある。
チームというからには,兵隊の位でいえば,将校あり,下士官あり,また,手足となって働らく兵隊もいるわけであるが,この際,医師が将校の位にあるということは,まず異論はあるまいが,チームのリーダーまたはキャプテンかどうかということになると,種々の考え方が出てくる。たとえば保健所活動というものを考えてみた場合,所長は法律によって,一定の条件の医師であることが規定されているが,現状では,保健所勤務医師の質・量の関係から,必らずしも医師である必要はあるまいという議論が,パラメジカル職種や事務系職員の問におこってきており,今後,保健学科卒業生が育ってくると,この意見はさらに強まってくるだろう。
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