特集 綜合保健活動の推進
主題参加
綜合保健と公衆衛生活動の方向
地域事情に合わせたサービス
若松 栄一
1
1厚生省公衆衛生局
pp.18-19
発行日 1965年1月15日
Published Date 1965/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202966
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綜合保健という言葉で何を考えたらいいのだろう。保健衛生といわれるものにいろいろの分野がある。それらを寄せ集めたものが綜合保健なのだろうか。それにしても保健衛生の分野の分け方にいろいろの方向がある。例えば比較的漠然とではあるが国民あるいは地域住民一般を対象とした公衆衛生と,学校や工場事業場というような特定集団を対象にした学校衛生と労働衛生という分け方がある。また広い意味の公衆衛生というものの中には伝染病,結核,精神障害などの特定疾患を対象にした予防衛生もあり,母子衛生や成人衛生のように特定の年令層を区分の基準にしたものもある。また環境衛生,食品衛生というような衛生に関して物の規制を方法論とした分野もあり,栄養指導や精神衛生相談事業のように健康の保持増進のための個人生活面の衛生妻業もあり,医療施設や薬物を保健上活用させる指導を行うことも保健衛生の一つであろう。これらの保健衛生のいろいろの分野を綜合するということは一体どうすることなのかという疑問もわいてくる。
しかしそれも理屈のための理屈のようなもので,綜合保健という言葉がそう珍らしい言葉でもない以上は,ふつうの人々がかなり共通したイメージをもちうる言葉であるにちがいない。そうであれば,あまり異を立てては人並はずれになってしまう。
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