Japanese
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文献
加速度病における副腎皮質機能の変化
Adrenal cortical Response in Motionsicknes
白石
pp.266
発行日 1964年5月15日
Published Date 1964/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202824
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廻転椅子或いは機動空中演習により加速度病に陥った健康男子の血清中遊離17-OHCS値を負荷の始まる前,負荷中,負荷後の3時期にわたり測定した。加速度病に陥った人々には例外なく17-OHCS濃度の急速な上昇がみられた。この上昇は加速の開始とともに始まり,その持続時間は一様ではないが,その加速負荷停止後40分以内である。ステロイド濃度はその後の1時間半から4時間のうちに負荷前の状態に回復する。
同じ負荷を受けた時嘔吐しなかった人の血清中17-OHCS濃度の変動は2型にわけられ,その一つは負荷開始後17-OHCS上昇がおこる。この17-OHCS濃度の上昇がみられる者の半数に嘔気が自覚された。今一つの型は日間変動と大差ない型であった。この型では負荷中および負荷後血清中の17-OHCSレベルが負荷前のレベルを越えなかった。この型では11名中1名しか嘔気を認めたものはなかった。しかもその1名の嘔気は軽度であった。この群では加速度病の原因と考えられている負荷が殆ど影響しないのである。
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