特集 清掃事業の現状と将来
地域の保健問題
山本 幹夫
1
1順天堂大学体育学部
pp.252-259
発行日 1964年5月15日
Published Date 1964/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202822
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はじめに
去る1963年10月横浜で開催された第20回日本公衆衛生学会総会において「地域保健のすすめ方」という特別講演をする機会をあたえられた。ここには,その講演中に述べた,地域保健をすすめるに当って,当然まず考えなければならない地域社会にある保健上の課題を中心として,講演の概要をのべてみたい。
「地域保健は,その地域の特殊事情に立脚して,公衆衛生の原理を計画的に適用しつつすすめるのがその原理である。」「日本では,その地域社会の複雑性や,長年にわたる中央集権的衛生行政の伝統,地域保健に関する科学的基盤の脆弱性などが原因して,必ずしも各地域に即した保健活動が行われているとはいえないのが現状である。」しかし今後各地域において保健対策を有効にするためには,これらの原因を更に明らかにし,それに適切に対処するような計画を各地域毎に樹立して,進めなければならない。
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