特集 地域の健康管理
地域の健康管理
山本 幹夫
1
1帝京大学医学部公衆衛生学
pp.370-376
発行日 1976年6月15日
Published Date 1976/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205195
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はしがき
筆者は最近,「医学教育におけるコミュニティ・ヘルスの位置づけ」と題して,本誌に論文を依頼されて寄稿した1).編集者が「地域の健康管理」と「コミュニティ・ヘルス」との間にどんな相違があると考えているのかを,十分にただしてみる機会が筆者にはなかった.筆者自身は,両者を全く同一の内容をもつ言葉であるとしていることは,別の論文2)にも記したところである.前の論文は,このCommunity Healthを医学教育にいかに位置づけて行うべきかに主点をおいて論じ,後者は地域社会において行われる健康管理(地域保健と同義と著者は考えている)についての特集の冒頭の論文として,すなわちその導入として求められていると考え,お引き受けしたしだいである.だが同一人によるものであるので,たとえその重点を異にしているとしても,各所に重複する部分が生ずることは,あらかじめお許しいただきたい.前の論文では,スイス国Selby教授(1974)の行った国際研究の結果などを引用して,わが国を含む先進諸国の直面する保健問題の将来予測とともに筆者等の解析も含めて,わが国の保健問題の現状をまず述べたが,わが国の地域保健を考える場合にもぜひとも,これらの一般的基盤をふまえて考察を進めなければならないことは,また当然であろう.
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