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第1回中小企業衛生問題研究会開かる
西川
pp.450
発行日 1963年8月15日
Published Date 1963/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202703
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6月29日(土)瀬戸市陶磁器健康保険連合会館において,第1回中小企業衛生問題研究会が関西医大東田教授・市京大奥谷教授のお世話によって開かれた。研究会は同会館講堂においてラウンドデーブル式によつて進行した。参加は地元からもあったが近畿・北陸・九州・関東からも集り,110人の多数に上り盛会であった。午前はシンポジウムで近畿ことに大阪における中小企業にみられた工業中毒や東京における中小印刷業の衛生問題,じん肺管理の状態が報告されて討議された。その後愛知県ことに名古屋周辺における中小企業の結核問題が報告され,中小企業における給食の新しい方式が発表された。午後は瀬戸市における陶磁器関係の中小企業衛生問題につき同健保連合会の管理センター,健保組合,じん肺の実状,保健所,労働基準監督署,防じん装置の試作などについて討議が行なわれた。そして最後に地元の陶磁器関係の現場を,見学して名古屋市にて解散した。
およそ中小企業の衛生問題は厚生行政と労働衛生行政の接触する部面である。かねてから唱導された産学協同は大企業が中心課題となって,産学協同が中小企業において行なわれるすれば,衛生問題の解決が最も重大である。この意味において同研究会が発足したことを御報告する次第である。
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