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文献
飲料水の放射能ならびに硬度と癌死亡率,他
Radioactivity and Hardness of Drinking Waters in relation to Cancer Mortality Rates
西川
pp.418,463
発行日 1963年8月15日
Published Date 1963/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202697
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この論文は飲料水の放射能が癌死亡率を増高するという仮設に対する調査研究である。コンウォルはイングランド・ウェルスにおいて最も高い放射能をもっている飲料水を使っている。これに対して放射能の少ない水を使う地区が対象として調べられた。胃癌は後者の方が標準化死亡率で150を越えているが,コンウォルは肺・乳房・子宮の癌ならびに白血病についてとられた標準化死亡率が少なくとも統計学的に100を越えることはなかった。14カ国および12地区について調べた結果は上水の放射能と結びつく可能性は全くなかった。ラジウム(Ra)含有量は大約硬度と正比例する。硬度の高いラジウムを沢山含有する地域の各種の癌の標準化死亡率は決して高くなく,軟水を使っている地区でも癌による標準化死亡率は高い例もあった。相関関係硬度と乳房・子宮・肺の癌死亡率との間にも関係はなかったが,骨の癌とは高い相関関係があることが判った。胃癌死亡の最も多い地域が却って最も軟い水を飲んでいた。
他の疾患の中で硬度が最も高い相関関係を示したのは中枢神経系の血管損傷であった。高い全死亡率は軟水との間に相関があった。
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