文献
疫学的循環器疾患研究の方法論—高血圧と動脈硬化症,他
西川
pp.191
発行日 1961年4月15日
Published Date 1961/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202391
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この研究協議会は,現在の段階において心臓血管系の疾患について疫学的解明を加えるにはいかなる手順をもつて進めるべきかを主題として行なわれたものである。協議会は4分科会にわかれて進められ本特別増刊号にはそれぞれの議長が綜括を提示している。それに最近の心臓循環系疾患研究における疫学的方法論について綜説をのせ,これらをさらに綜合した一般報告がまとめられて掲載されている。しかし最も重要なことは分科会報告と研究報告である。
4分科会というのは,研究計画のたて方と分析方法,診断の基準と内科学的価値(血圧測定,心電図,形態学),栄養,生理機能と生化学的検査(栄養調査の方法論,身体機能と体型,生化学的検査),文化的,社会的,家族的,心理的ならびに遺伝的影響(ストレスと適応,文化,社会,家族,個人的性格と心理学的反応,遺伝)である。第1分科会では対象としてえらぶ集団をいかにしたらよいかという点について論議し,それよりサンプリングして調査することの得失と集団の規模に議論があつた。また疫学的調査と臨床医学的調査との限界についても検討されている。第2分科会では貧血性心疾患と高血圧性疾患の定義を試み,さらに検査技術について血圧測定と心電図がとりあげられて検討された。形態学の面々病理解剖の所見が紹介されている。第3分科会は,栄養調査の方法と栄養食品分析表の検討,生理機能の検査法,標準値,体型が論議されている。
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