文献
事故の原因と予防/果して精薄児の出生に季節的変動があるか?
有賀
pp.676,704
発行日 1960年12月15日
Published Date 1960/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202349
- 有料閲覧
- 文献概要
どこの国でも事故死亡は近年次第に増加している。合衆国のペシシルシルヴアニア州においては1958年に5,056人が事故により死亡している。事故による死亡のうちで自動車によるものは人口10万対16.2,それ以外の事故は29.3という数値を示している。合衆国の衛生統計によると毎年10人中3人が大きな事故にあろうと推測しているが,その通りならペンシルヴアニア州では333万人が事故にあうことになる。そこでペンシルヴアニア州においては衛生局に交通事故と交通以外の事故を取扱う二つの課が設けられていて,事故の原因を探るとともに,その予防に当つている。
事故発生の原因を追求するには病院の報告を利用していて,致命的なものとそうでないものとを比較検討している。この結果によると事故は若年および老年に致命的なものが多く,また男は女より,黒人は白人より高く,切刺傷の事故で生命を失うことは殆んどない。また道路以外の事故発生場所は主に家庭ということになつた。事故の原因としては,身体的,感覚的または精神的な欠陥が認められるものが多いが,その傾向は必ずしも一定ではなく身体的または感情的諸条件が突然交さくしたような時におこることが多い。
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.