原著
避妊薬の室温保存による効力変化
山地 幸雄
1
,
石関 忠一
2
,
小嶋 秩夫
2
,
宰田 和子
2
1日本医科大学細菌学教室
2国立衛生試験所衛生微生物部
pp.221-224
発行日 1960年4月15日
Published Date 1960/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202266
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I.まえがき
本邦において避妊薬の製造販売が許可されてより約10年経過し,本剤は家族計画の普及及び当該施設の指導により,広く用いられている。本剤は国家検定の対象とされ,製造Lot毎に国立衛生試験所において殺精試験,化学試験及び物理試験が行なわれているが,その保存可能の期間,すなわち室温における殺精子力の安定度については,本邦では功刀1)の報告がみられるに過ぎない。功刀が研究を行なつた当時と現在とでは,市販品の種類及び処方が多少異なつている上,本剤は薬剤に対する専門的知識の乏しい一般人に対し,販売あるいは配布されており,また現在本品に対しては,有効期間の明示が規定されていないので,われわれは今回,製造後室温に保存された避妊薬の効力を,国家検定法の殺精子試験により検した。
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