医学生に対する衛生学公衆衛生学の教育・11
医科大学における社会保障に関する教育
東田 敏夫
1
1関西医科大学衛生学
pp.152-155
発行日 1960年3月15日
Published Date 1960/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202255
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I.衛生学公衆衛生学教程において社会保障に関する教育の目標について
社会保障に関する認識は今日では常識に属しており,普通教育の課程においてもすでにかなりおこなわれていると解せられるから,医科大学においてこれに関する教育は,それにふさわしい目標と内容をもつ必要があることはいうまでもない。しかし実際におこなわれている教育内容にはかなりちがいがあるようにみうけられ,また最近医学生のこの方面に関する関心がかなりたかまつていることをおもえば,ここで一考する価値があると考えられる。
まずこの課題に関する教育の必要性が,健康保険あるいは医療扶助制度の拡大により,医師の職業的実践の大部分がそれらの制度のもとでおこなわれるため,医学生にこれらの制度に関する知識を備えさせるという立場から,問題にされているとすれば,その教育内容はおそらく現行の健康保険法,生活保護法,その他の医療扶助制度に関する紹介を目標にせられるだろう。
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