原著
昨秋流行したインフルエンザの或る農村地域人口集団における疫学的調査
目黒 勇平
1
,
川上 吉昭
1
1東北大学医学部衛生学教室
pp.383-386
発行日 1958年7月15日
Published Date 1958/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201987
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昨年5月末から初夏にかけて全国的に流行したインフルエンザは,小学校等の集団では40〜50%という罹患率1)のところがあつて,注目を惹き,大正7〜8年にみられたスペインカゼのパンデミー以来,稀にみる大流行であつた。A東京57型ウイルス2)によるこのインフルエンザの流行は7月下旬より一応流行閑期に入つたが,10〜11月に入つて流行は再燃した。厚生省防疫課の調査3)によると,インフルエンザによる死亡者の数は9月101名,10月142名,11月(25日まで)256名で,未報告の北海道・京都・福岡・神戸市の分を含めると500人を突破すると言われる。
著者等は一東北農村地域における人口集団について昨秋のこの流行について疫学的調査を試み若干知見を得たので報告する。
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