原著
山陽地区に於けるブユの調査成績
岡本 詢
1
1鳥取大学医学部公衆衛生学教室
pp.341-343
発行日 1958年6月15日
Published Date 1958/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201978
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中国地方に於けるブユについては2,3の先輩による調査記録はあるが,未だその研究は少ない。然し近年は緒方,佐々等の広島県に於ける分布並びに駆除実験,岡山県に於ける大野等の駆除成績の報告を見るなどこの方面の研究が盛んとなりつつある。他方これ等の地域に於ける本虫による被害状況は各地共に,特に山間部に於いて,相当激烈な模様であつて,最近に至り漸く駆除を行わんとする傾向が見えて来たことは喜ばしいことであると思う。然し駆除を合理的に行うためには,その種類,分布,生態に関する調査研究の必要なことは言をまたない処である。著者はその基礎調査として1955年7月以来,主として山陰地方に於けるブユについて上記諸項の研究を行つているが,今回は山陽側の数地点より採集したものについて述べ参考に供したい。本調査は日本衛生動物学会ブユ研究班の綜合的な仕事の一部として行つており,種類,分布を調査したもののうち現在までに判明したものについて述べる。
次の各地点について著者は流水中より主として蛹の採集を行い,主としてこのものについて種の同定を行つたが,一部のものは,これらの蛹を羽化せしめて成虫で同定を行つた。成績は次の通りであつて,記載は地名,採集年月日,種名及び採集数の順序とした。
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