特集 昆虫などによる健康問題
【昆虫による疾患】
ハチ,アブ,ブユ,蚊
今 明秀
1
1八戸市立市民病院・救命救急センター
キーワード:
アナフィラキシーショック
,
スズメバチ
,
エピネフリン
,
アブ
,
唾液腺物質
Keyword:
アナフィラキシーショック
,
スズメバチ
,
エピネフリン
,
アブ
,
唾液腺物質
pp.432-435
発行日 2009年6月15日
Published Date 2009/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101705
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Case
47歳,男性.農作業中に頭皮をスズメバチに刺された.めまいとかゆみ,発汗を訴えて,30分後に近医を受診し,待合室で床に倒れた.血圧50mmHg,脈拍110/分,意識JCS一桁.頸部から大腿まで発赤を認めた.呼吸音は喘鳴なし.橈骨動脈の脈拍は触知できなかった.担当医はすぐに,救命救急センターへの転送を考えた.救命救急センターへかかってきた電話口ではひどく焦った口調であった.私はスズメバチによるアナフィラキシーショックであり,緊急処置が今すぐ必要なことを伝えた.優先順位は,ステロイドファーストではなく,エピネフリン筋注ファースト,血管確保より,大腿にエピネフリン0.3mg筋注をすることが最優先であることを強調した.救急車の到着を待つ間に,酸素を投与し,リンゲル液で輸液を全開で開始すること,エピネフリンは,血圧が戻るまで5分間隔で繰り返すことを付け加えた.30分後救急車が救命救急センターに到着した.2回のエピネフリン投与でバイタルサインは安定していた.
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