特集 最近の性病問題
時評
性病
呵々
pp.21-22
発行日 1953年11月15日
Published Date 1953/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201282
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此間,吉原病院の雪吹院長さんがこんな話しをしておられた。「吉原の女を治療して充分に癒しておいてですね,一人だけ客を取らせておいて様子を見るんですよ。すると女の21%が発病する。つまり遊びに来る男が100人おれば,21人が性病をもつている勘定になりますね。驚ろきましたな。性病を蔓延さすのを商売女だとばかりきめつけるのはどうですか。男がこの調子ですよ。尤も,それや,大もとはといえば商売女かも知れませんがね」
ここで私は,遊興準備室スイステムを提唱したい。何のことはない。遊びに来る男の身体検査室である。顔を見られるのが嫌と云うことであれば,尾籠な話しであるが,"そのもの"ずばりだけを検査してもよい。合格者にはパスポートを出す。ただ一寸困るのに梅毒の血清試験であつて,結果が解る迄一週間は,御本人を感染の危険から守るために,準備室の隣りに附設した簡易宿泊所に御投留願うと云うことになるかも知れない。
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