原著
出生時体重別にみた乳兒の体重基準値について
山口 健男
1
1群馬県高崎保健所
pp.49-51
発行日 1956年10月15日
Published Date 1956/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201740
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.緒言
近時,未熟児対策の問題が注目をあびているが,その発育過程を見て行く場合,機械的に従来の出生時体重を考慮しない発育基準値と対比することは,当を得たものと思われない。斎藤,辻氏1)2)は出生時体重が,その後の体重発育と極めて密接な関係にあり,その影響は幼児期のみならず,学童期にまで及んでいる事を観察している。私は保健所において,日常育児指導に当る場合,出生時体重を考慮に入れる必要性を痛感しているのであるが,この場合ただ勘に頼るのでなく客観的な出生時体重別発育基準値があれば,出生時体重の大なる者も小なる者も,夫々正当に判定され育児指導上有益と思われる。そこで一つの方法として私は出生時体重とその後の体重との相関係数を求める事により,出生時体重別の乳児体重発育基準値の作成を試みた。
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.