特集 最近の医学の話題
人間ドック—短期入院総合身体検査
小山 善之
1
,
松枝 鼎
1
,
小澤 義光
1
,
飯塚 睛夫
1
,
田中 義人
1
,
黄 八愷
1
1国立東京第一病院内科
pp.28-31
発行日 1956年8月15日
Published Date 1956/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201715
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今日の医療は職場に直結した健康管理を司る特殊のものを除くと,その多くは健康に異常を感じて医師を訪れて来る患者について診療の行われているのが普通である。慢性疾患々者では一般に病気が徐々に始まり初期には何等の自覚症状もないため観過され易く,やや進んで自覚症状が現れてから医師の許に来るのが大多数である。殊に中年以降に始まり然も後には生命を脅かす所の老人性疾患は之等の代表的なものであろう。換言すれば明らかな自覚症を呈してから医師を訪れたのでは既に完全治癒の限界を越えていることが度々ある。そこで日常健康そうに勤務している社会人に就いて積極的に健康診断を行い潜在性の疾患を見付け出して早い時期に治療を行えば治療成績の向上や治療期間の短縮を計ることが出来るであろう。このような目的で我々は昭和29年7月より短期入院綜合身体検査即ら人間ドック入りを行つている。人間ドック入りは併し最近始つたものではなく昭和13年に当病院長の坂口康蔵先生が東大で初めて試みられたもので,当時入院して検査を受けた人々が人間ドックの名を附けたのである。我々は当院て坂口先生指導の下にベット2床を用意して常時計画的に行い始めたのである。
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