第2回短期人間ドック研究会抄録
約半年間における短期人間ドックの観察,他
国兼 信一
1
,
黒滝 良宏
1
1青森県立中央病院
pp.121-129
発行日 1961年2月1日
Published Date 1961/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201765
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
本院に於ける短期人間ドックは,昭和35年2月1日に開設され,7月16日に到る約半年間の利用者は総数113名で,その中,男87名(77%),女26名(23%)である。年齢は男女併せて,40歳及び50歳代が共に37名宛,60歳代は17名で,40歳以上の者が2/3以上を占めている。体重が標準体重より20%以上多い肥満者は,男9名(10%),女4名(15%)で割合少い。地域的には,青森市内在住者が40名(35%)で最も多いが,略々全県下に分布している。職業別では,商業が31名(27%),会社員22名(19%),次いで公務員14名,農業13名の順であるが,農業県である本県としては農民の利用者が極めて少いと云える。血圧は,年齢と無関係に最高血圧150以上,最低血圧90以上を高血圧症とすると,男26例(30%),女6例(24%)であつた。心電図所見では,ST.Tの異常を示したものが20例で最も多く,刺戟生成異常が7例で之に次ぎ,その他,肺性P,僧帽性P等も少数例に認められた。胸部レ線検査によつて要治療と判定された肺結核症は5例(5%)である。胃レ線検査では,慢性胃炎23例,胃十二指腸潰瘍9例,全体として有所見者は67例,その中4例が要治療者であるが,その他,胃癌及び胃ポリープの疑われたものが各1例宛数えられている。胃液検査では各年代共に無酸症が最も多く,全体として76例(67%)が無酸症であつた。
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.