特集 疫學観の進歩
座談会
ゴルドン教授の「医学的生態学」をめぐつて
菊地 正一
1
,
北 練平
2
,
原島 進
3
,
宮入 正人
4
,
田多井 吉之介
5
1東京大学医学部衛生学教室
2結核予防会澁谷診療所
3慶応大学医学部衞生学
4公衆衛生院疫学部
5公衆衛生院生理衛生学部
pp.9-20
発行日 1955年10月15日
Published Date 1955/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201603
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
田多井 WHOと厚生省,それから公衆衞生院の関係者各位の御努力で公衆衞生院の疫学教育の顧間として,ハーバード大学公衆衞生学校の疫学教授Gordon博士が今年の3月初旬から6月上旬迄日本に滞在され,公衆衞生院を中心として各地で講義あるいは講演なさつたことは,皆様方が御存知の通りでありますが,博士の最後のスケジユールであつた疫学研究会に於ける講演を本号に掲載することになりましたので,その機会に併せてゴルドン教授の学的体系に関する座談会を開くことにいたしました。従つて読者の方々にもお分り頂けるために,この座談会の形式は主としてゴルトン教授とともに各地で通訳の労をとられ,さらにすでに1953年から54年にかけてハーバード公衆衞生学校で親しくゴルトン教授の薫陶を受けられた宮入先生にいらつしやつて頂きましたので,まず宮入先生からゴルドン教授の滞日中の講義や講演あるいはゼミナールの内容を,ごく大ざつぱにお話頂いて,原島先生,北先生,菊地先生からそれに対する御意見を聞かせて頂ければ幸いと思いますが。
宮入 非常に大ざつぱに申しますと,3月から5,6月迄の間,第一には公衆衞生院に於ける各コース特に医学関係のコース,それからその他藥学,獣医,保健婦そういうような人の合同コースでの講義或はゼミナールをやりました。第二には厚生省の防疫課の要望によりまして,防疫講習をこの機会にいたしまして,大体5つの府県に行きました。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.