研究報告
胸部間接撮影像(6×6cm判)に於ける大動脈像横径拡大と高血圧及び梅毒との関係
原 大二
1
1九州電力株式会社相浦発電所診療所
pp.43-45
発行日 1955年9月15日
Published Date 1955/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201599
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緒言
戦後労働基準法により工場,事業場に於ては年1乃至2回の健康診断を行つて居り,此の際胸部のX線撮影は結核の早期発見を目的としている事は言をまたない。その結果が結核に対する化学療法の発達と相埃つて早期発見,早期治療に著しく貢献している事は認めなければならぬ。当事業場に於ても結核の発病者は著しく減じ療養者も漸次職場に復帰し,現在療養中の者は全員758名中に6名,要注意者として健康管理の者は14名である。
飜つて我国の死亡原因を病類別に見ると,長年第一位にあつた結核は漸次下位となり,現在は脳溢血,惡性腫瘍が第一,第二位となつてきた。従つて今後は事業場に於ける健康管理に於ても,その方面の管理を行うべき時期にあると考えられる。然しながらこれを早急に結核管理の状態の下に於てなす事は困難であろう。腦溢血の予防,高血圧の発見には血圧測定を行うが最も良い方法である事は言を埃たないが,現段階に於ては健康診断の一部として全員の血圧測定は困難である。
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