特集 食中毒
注目すべき食中毒例
修學旅行における奈良市の折詰中毒
pp.55
発行日 1954年9月15日
Published Date 1954/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201462
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1.発生の概要
山形県藤島農業高等学校173名が昭和27年5月19日夜東京を出発,20日5時30分頃名古屋駅にて朝食として駅弁を購入摂食,同日,13時25分奈良に到着,駅でS軒製二重折詰弁当を購入,直ちにバスで市内旅館に入り,14時20分頃摂食,その後市内見物の途中17時頃より患者が続発し始めた。翌21日浜松より奈良県に対して,山形県余目高等学校81名から奈良の修学旅行の帰途車中にて多数食中毒患者が発生した報告があり,調査の結果,前記S軒製の弁当を食べており,而もその内容が藤島農業高校と全く同一であることが判明し,発病の状況,症状,経過等が,この2集団が全く一致しており,疫学的に,原因食品はS軒製の折詰による同一事件と決定されたものである。
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