特集 赤痢(Ⅰ)
論説
赤痢の治療—保菌者の治療を中心として
長岐 佐武郎
1
,
斎藤 誠
1
1都立荏原病院
pp.53-58
発行日 1954年7月15日
Published Date 1954/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201432
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緒言
昭和24年より漸増した赤痢は,昭和27年には我国の伝染病統計が始まつて以来の最高患者数の発生を示し,昨28年はやや滅少の傾向をみたが,本年にはいり再び増加の様相を明らかにし,流行の急速な終熄を期待しえない現況である。このような赤痢流行の要因は多様にわたつて存在し困難な問題を提示しているが,その開明には種々な観点から検討が要望されることはいうまでもなく,われわれはこれ等のうちで臨牀の立場から直接,間接に関係を持つと考えられる流行赤痢菌型,藥剤耐性の問題,患者,保菌者の治療に関する問題を探りあげて,これに若干の考察を加えてみたいと思う。
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