研究報告
細菌性赤痢患者発生に伴う保菌者検診について
斎藤 勇
1
,
坂田 守
2
1若松市立第二病院
2若松保健所予防課
pp.28-34
発行日 1954年12月15日
Published Date 1954/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201500
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I.緒語
細菌性赤痢患者が発生した場合,その家族及び周辺の健康者の検便を行い屡々保菌者が発見される。而してこの健康保菌者は,附近に赤痢患者を散発せしめるばかりでなく,時に大流行の原因ともなるので,赤痢予防上重要視せねばならぬ。時には患者の数倍乃至は数十倍の保菌者が発見されることがある。これがむしろ最近の赤痢の一特徴ともいえる状況である。
昭和29年3月15日,若松市旭ガラス社宅内に3名の細菌性赤痢患者が発生したので,直に同社宅に隣接する8戸29名について検便を行い,2名の健康保菌者を発見した。更に社宅家族全般にわたつて検便を続行した結果意外に多くの健康保菌者を発見し,しかもその菌型が種々異つていたので,社宅区域の患者と保菌者との関係及び分布状態を検討考察した2,3の問題について報告する。
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