特集 第4回日本公衆衞生學會
赤痢討論會
東京都の赤痢
與謝野 光
1
1東京都衞生局予防課
pp.9-12
発行日 1951年1月15日
Published Date 1951/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200762
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それでは小島先生の御指名によりまして,私,東京都におきまする赤痢の發生状況につきまして御話を少し申上げてみたいと存じます。小島先生が私をお呼びになりました理由は,おそらく先程館林課長のお話の中にもございましたように,昨年今年にわたりまして特に關東地方の都縣に相當の流行が起つた關係で,おそらく關東諸縣の代表という意味で地方の實情を述べよという御意志と解しまして,東京都における今年,昨年の赤痢に關する發生状況,或はこれに關しまする資料にっきましてお話を申上げて討論の資料にいたしたいと存じます。なお今日は臨床方面につきましては,のちに内山,長岐兩先生からお話があると思いますので,主として防疫の立場のお話を進めてまいりたいと存じます。
今年は東京都におきまして非常に赤痢の發生が多くございまして,先週の終りまでに8,882名の患者を出しております。最近數年間にみない多發の状況であります。この發生を日を追つてみてまいりますと,本年の頭初から昨年に比べて大體いくらかづつ多かつたのでございますが,特に6月に入りましてから非常に多く出てまいりまして,8月の中頃が一番多くその後漸次減少しつつあります。
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