特集 第4回日本公衆衞生學會
赤痢討論會
赤痢の化學療法
内山 圭梧
1
1東京都駒込病院
pp.13-16
発行日 1951年1月15日
Published Date 1951/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200763
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細菌性赤痢に對してサルフア劑の卓效あることは既に10年程前から知られ居りその治療成績の發表も少くないのであるが,これが本格的に赤痢の治療劑として全面的に取り上げられたのは漸くこの4〜5年以來のことである。而してその使用の當初に於ては實に優秀なる成績を示し,本劑を徹底的に使用すれば赤痢の治療が容易であるのみならず,本病の撲滅さえも期待し得る程の希望を懷かしめた程であつた。然るにその後一兩年の後にはサルフア劑無效例の報告が次第に現れ,尚之に關連して患者から新に分離された赤痢菌,特に近時の流行菌種である駒込B型菌がサルフア劑に對して非常に抵抗性を増して來て居ることが注目されて來た。駒込病院に於ける患者についてこれ等の點について觀察するに表1に示すように昭和23年度にはスルフアチアゾール(以下STと略記)の有效例が81.3%を示したが翌24年度には約半數近くの45.5%に效果を認め得ざるに至り,今年度に於ては奏效率が更に低下して無效例が52.9%の多きに達して居る。
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