特集 第4回日本公衆衞生學會
赤痢討論會
全國的に觀た赤痢
館林 宣夫
1
1厚生省公衆衞生局防疫課
pp.7-8
発行日 1951年1月15日
Published Date 1951/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200761
- 有料閲覧
- 文献概要
全國的にみました赤痢の發生状況をごく概略的に申上げます。最近25年間の統計に現われました赤痢の動向をみますと,昭和12年頃から我が國の赤痢患者の數が急激に増加いたしてまいりまして,昭和14年には近年における最高9,7250名,死者が2,2390名という近年最高の山をここでつくつております。しかしながら戰爭の進展と共に漸次減少してまいりまして,終戰前年の昭和19年には5,5795名という非常な減少を示したのでございます。更に終戰と共に急激に増加を加えまして,昭和20年には殆んど8萬臺に上りまして,96462名,死者20,107名という,ここで再び峯をつくつております。翌年の昭和21年にはやや減少いたしまして88,214名の患者と,13,409名の死者が發生いたしました。ところがこの流行が急激に減少に轉じまして,昭和23年には最近の最低數ともいつてまい患者14,665名,死者僅かに4,066名という,非常に少ない數を示したのでございます。然し昨年來再び増加の傾向を示し昨年は患者23961名,死者7824名となり,本年に入りまして更に増加いたしまして,只今のところ前年度の同期間の發生に較べまして約2倍という數を示しております。死亡者の數で申しますと,患者の數とほぼ平行しているという感じを受けるのでございます。これを致命率の面でみまして相當著しい變化があるのでございます。
Copyright © 1951, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.