主張
—昭和26年度豫算編成からみた—衞生行政の動向
pp.174
発行日 1950年11月15日
Published Date 1950/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200736
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26年度豫算は,既に事務的な編成を終つて關係方面の諒解を得て,國會に提出されることとなつている。從つて,まだ最後的に決定したわけではないが,少くともこの豫算編成によつて,厚生省としては,26年度に,衞生行政を如何に推進して行くかという基本的な方針については,充分に理解されることが出來るであろう。以下衞生行政の來年度豫算に現われた主な問題を拾つてみたいと思う。
先づ,來年度においては,と云つても大きな問題は結核對策である。日本としては,結核の重要性は早くから認識されている。既に度々,大きな計畫も立案された。しかし,何時も豫算の面で行きづまつていたものが,今回,始めてまことに畫期的膨大豫算が成立する氣運となつたのである。事業計畫としては,健康診斷,B.C.Gの豫防接種に約2億,療養施設13.000床の新設に9億,患者醫療費の補助として約9億,職員の研修その他に1億,保健所の結核學任職員,講習會,保健婦旅費,委員會の經費等に約1億,ストレプトマイシン買上費に約9億,國立療養所の増設に1萬7千萬圓,健保療養所の増設に3億7千萬圓,國立及び公立療養所の經常費に51億等,總計國費の負擔83億3千萬圓が見込まれている。我が國衞生行政史上まことに畫期的な數字であり,現在の國の財政からみれば,先づ萬全の對策といえよう。
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