特集 1949年度の回顧と50年の展望
母子衞生
田波 幸男
1
1厚生省母子衞生課
pp.200-202
発行日 1950年4月15日
Published Date 1950/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200618
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一年位はぢきに経つてしまうもので,年初にたてた計画の半分も終らない中に又もや年頭の計をたてるべき新しき元旦がやつて來るのである。昨年は所謂母子衞生5ケ年計画の第2年目であつた。計画の中には勿論乳幼兒死亡の減少という項目が大きくとりあげられているのであるが,23年の統計をみると,肺炎はひどく減少して,このため下痢腸炎死亡が浮上つて來た。肺炎の減つたのはペニシリンやズルフオン剤の普及による所が大きいので,これは將來も減少をつずける可能性があると考えられる。そこで24年は下痢腸炎の減少を目的として進んだ譯である。
下痢腸炎死亡を減少させるには色々な方法があろうが,先ず第一に乳幼児の栄養の問題に着手した。そして24年は一言をもつてすればこの栄養問題に明け暮れしたといつてもよいであろう。
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