原著
生菌ワクチンの有効なわけの研究—變性生病毒によるデング熱の豫防接種
堀田 進
1
1京都大學醫學部微生物學教室
pp.15-19
発行日 1949年7月15日
Published Date 1949/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200493
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デング熱病毒はマウス腦を累代通過せしめられるとその性状に變化を來してくる。すなわちこれを人體に注射してもデング熱特有の症状を發せしめ得ないが,しかも注射後に強い免疫をのこすことができる。從つてかかる變性株を用いて有效な豫防接種を期待することができる。しかも,このような病毒をフォルマリンとか牛膽汁などを用いて不活性化すると免疫を與える力が著しくそこなわれる。これらのことはすでに報告した通りである(1)。
古くからワクチン材料として生菌を用うるのが有效であると信ぜられてきた。デング熱の場合についても一應そのような結果を示したようにみえる。何故そうであるのかという問題について1檢討を試みるため,以下の實驗を行つた。
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