文獻
短波照射に依る組織の加温成績
宮入
pp.365-366
発行日 1949年4月25日
Published Date 1949/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200458
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著者等は2.400〜2.500×5サイクルの高周波と最大出力25ワツト最長12cmの波長の何れが生體組織の深さ2インチの部分を10.4°F迄に加温するが,又治療結果としての熱度傾斜が正常かどうか,即ち表面より深部の組織に至るにつれ温度が減少したか或は此の正常熱度傾斜の逆戻りがあつたかを決定する一連の實驗を行つた。研究にあたり高周波による實驗動物には犬の腿,目,前額竇と人間の腿を用いた高周波に曝された犬の腿の最高温度は皮下層で觀察され深度が増すにつれ温度は減少したと著者は述べている。皮膜表面から1インチの間隔を置く6inch hemispherieal directorを使用した10の實驗で深さ2インチの平均温度は104.1°Fであつた。犬の目での實驗で短波治療を受けた強健な體の平均温度は105.8°Fである事が分つた。3過間に渉り一連の6つの治療を受けた犬の目及び近隣組織には何の損傷もなかつた。6つの實驗で短波照射を受けた犬の前額竇の平均温度は105.1°Fであり,24の實驗で直接短波を照射された人間の大腿の深さ2インチの平均温度は104.2°Fであつた。1つの表在性小水泡が生じ10日にして消滅した。此の治療は患者にとつて快適であつた。紅疹が出始めるのを注意して見逃さない樣にせねばならぬ。
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