特集 地域医療計画と公衆衛生
医師会と地域医療計画—新潟県医師会のかかわり
馬場 賢一
1
Kenichi BABA
1
1新潟県医師会
pp.220-225
発行日 1988年4月15日
Published Date 1988/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207655
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■はじめに
昭和60年12月27日,医療法(昭和23年法律第205号)の一部改正により,プライマリー・ケアという言葉は入ってはいるが主点は2次医療以上における医療圏の設定と病床規制を根幹とする地域保健医療計画策定が義務づけられた.趣旨はわかるが,その狙いには長期入院低減その他を含めて医療費抑制にあることがうかがわれる.このことは医療を受ける住民にとっても,現場で保健医療を行う医療担当者にとっても重大事である.計画立案に当たって,新潟県医師会は県行政に対して次のにとを強く提言した.
1)あくまでも住民,医師会,行政の合意形成の上での計画策定であること
2)計画策定に参画する者はあらかじめ,包括医療理念の共通理解のもとで考えを進めること.包括医療理念とは①生まれてから死ぬまで一貫したケアとキュアが行われる医療,②予防からリハビリ,社会復帰にいたる一貫したシステム医療が整合的に連続する医療,③すべてのライフサイエンスが協働しつつ参加する医療,
3)住民の受診の自由を妨げない計画であること
4)医療機関の自然発生的であろうとも現実の診療圏を尊重した計画であること
5)医療機関配置の適正化及び医師を含むマンパワーの充実と配置の適正化(機能を含めて)を具現する計画であること
6)福祉との連携を確立すること
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