地域事情
バングラデシュの僻地(パーバヤージャパ)における水問題
梅村 朋弘
1,2
,
長谷川 美香
2,3
,
日下 幸則
1,2
,
福原 輝幸
2,4
1福井大学医学部国際社会医学講座環境保健学領域
2福井大学地域環境研究教育センター
3福井大学医学部地域看護学講座地域看護学領域
4福井大学工学部建築建設工学科
pp.257-260
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102688
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はじめに
発展途上国を対象とした調査は少なくない.しかし,発展途上国は,国内各地(特に首都から離れた僻地)へのアクセスの悪さ,識字率の低さなどといった特性を考えると,国内各地で同じように正確な調査を行うことは困難である.また,首都と僻地では,生活習慣や疾病状況などが全く異なることもある.それゆえ,一部の地域に関する調査結果を,そのまま当該国全般に当てはめて考えることは難しい.
バングラデシュもそのような国のひとつである.本誌76巻8号で述べたように,われわれはバングラデシュのパイガサ地域で,水・保健衛生環境改善に関するプロジェクトを計画している.情報の少ない地域で確実にプロジェクトを遂行するためには入念な事前調査が不可欠であり,これまでにも事前調査を数度行っているが,雨季の調査を行ったことがない.そこで,雨季の真っ最中である2012年7月14~20日にかけて,バングラデシュのパイガサ地域を訪問して,生活習慣や生活環境などの調査を行った.
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