特集 肋産婦と国際協力
バングラデシュでの協力
大戸 寛美
1
1国立病院医療センター産婦人科
pp.1011-1015
発行日 1992年12月25日
Published Date 1992/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900705
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最貧国バングラデシュ
バングラデシュというと,「洪水」を連想する方が多いと思います。実際,6月から10月までのモンスーンの季節には,毎年サイクロンが来襲し,それにともなう洪水被害は,日本のマスコミでもよく報道されているとおりです。昨年4月のサイクロンでは13万8千人が死亡したと伝えられました。
さて,バングラデシュ人民共和国は,インドの東部に位置し(図1),日本からは空路で正味約9時間で首都ダッカの空港に着きます。空港を出ると,物乞いの手や荷物運びをしてチップをもらおうとする手に囲まれ,「貧しい国」という印象を受けます。更にダッカ市内に入ると,暗い色の服を着た黒い肌の男の人たちがごちゃごちゃいる,という感じがします。これは,人口密度の高さに加えて,イスラム教の影響で家の外に出る女性が少ないことによると思われます。
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