連載 災害を支える公衆衛生ネットワーク~東日本大震災からの復旧,復興に学ぶ・10
陸前高田市を支えた保健所機能
佐々木 亮平
1
,
岩室 紳也
2
1日本赤十字秋田看護大学看護学部看護学科
2公益社団法人地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター
pp.59-64
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102641
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「被災地」は同じではない
今回のタイトルは「災害時に求められる保健所機能」ではなく,「陸前高田市を支えた保健所機能」とした.東日本大震災発災から1年8か月が経ち,日本公衆衛生学会のシンポジウムをはじめ,様々な立場で災害後の公衆衛生活動が検証されている.しかし,陸前高田市に照らし合わせると,的を射てないと感じる場合が少なくない.その理由は,一口に「被災地」と言っても,被災状況は人的,物的,さらにはメンタル面も各地事情がまったく異なるからであり,われわれも本連載で「災害時に求められる…」という表現を使うことは,かえって他の被災地に対して失礼ではないかと強く思うようになってきた.本連載のタイトルは「陸前高田市の被災を支える公衆衛生ネットワーク~陸前高田市の復旧,復興に学ぶ~」が適切であったと思い,反省している.このように日々迷いながらも,とにかく被災地の状況を発信し続けようという思いだけでこの連載が続いていることをご理解いただきたい.
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