特集 スクリーニング―その進化と課題
慢性閉塞性肺疾患(COPD)のスクリーニングについて
小倉 剛
1
1結核予防会大阪府支部
pp.875-879
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102581
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はじめに
日本呼吸器学会(以下「学会」と略)の「COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のガイドライン(2009年)」1)(以下「ガイドライン」と略)によれば,COPDは主にタバコの煙などの長期吸入による肺の炎症性疾患で,正常に復さない気流閉塞を来たし,中高年に発症する.40歳以上の罹患例は530万人に及ぶが未診断例が多く2),COPDへの関心の低さから,肺機能検査も十分普及していない.海外でも同様な状況で,そのためプライマリーケアでの診断を目的に質問票が考案されている.
2008年「学会」は,COPDは生活習慣病であり,「特定健康診査・保健指導」において質問票によるスクリーニングと肺機能検査を行う必要性を提言し3),翌年「ガイドライン」に質問票を紹介した.さらに2010年,厚生労働省はCOPDのスクリーニングへの問診票の活用を決めている.
結核予防会では2007年からCOPDの啓発・早期発見を目的に,全国支部の協力を得て調査研究を続けており,本稿では,まずCOPDについて概説した後,スクリーニングに関してわれわれの成績を紹介したい.
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