予防と臨床のはざまで
25年ぶりの湯野浜と企業における禁煙推進講演会
福田 洋
1
1順天堂大学医学部総合診療科
pp.750
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102542
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7月30日に,山形県庄内保健所にお声掛け頂き,企業における禁煙推進講演会の講師を務めさせて頂きました.庄内管内事業所の関係職員,各市町健康づくり関係職員,健康づくり協議会委員や地元メディアの方々等々,多くの方にお集り頂きました.実はこの講演会は,企画ご担当の方が本誌の読者で,このコラムを読んでお声掛け頂いたとのこと! 本コラムも100回,8年を超えました.このような思わぬ貴重な機会を頂き,「コツコツ書いて来たことが無駄ではなかった」と,とても嬉しい気持ちになりました.
さて,講演会では「社員と会社を守る禁煙推進について」と題して,2009年に大阪府立健康科学センターの中村正和先生と行った全国の健保組合に対する喫煙対策実態調査の結果と,先進企業におけるグッドプラクティスを踏まえて,組織における禁煙推進についてのヒントについてお話ししました.健保組合の実態調査から,全面禁煙は約1割,分煙が約7割,情報提供の実施が約4割,禁煙支援・治療の提供約3割という実態から考えても,まだ「リーチ×パワー=インパクト」を考慮した様々な施策を行う余地があります.しかし全面禁煙をはじめ,事業所での対策を力強く推進するには,トップの決断が不可欠です.そのため禁煙を健康面だけからでなく,CSR(企業の社会的責任)や企業ブランド,生産性や労働損失,ヘルスリテラシーなどの様々な側面から捉えることの重要性をお話ししました.
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