連載 災害を支える公衆衛生ネットワーク~東日本大震災からの復旧,復興に学ぶ・5
健康・生活調査(全戸訪問調査)
佐々木 亮平
1
,
岩室 紳也
2
1日本赤十字秋田看護大学看護学部看護学科
2公益社団法人地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター
pp.640-644
発行日 2012年8月15日
Published Date 2012/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102502
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同時進行中における連載執筆の難しさ
東日本大震災の被災地に直接かかわりつつも,「被災地での日常業務」に追われていない立場の者が被災地の様々なことを伝え続けていく必要性があるとの考えから本連載が誕生した.被災地での取り組みについて,現状だけではなく,現場で明らかになった課題や,被災地の復旧,復興に必要な視点を報告するつもりでいるものの,その難しさを感じている.被災地の状況,取り組みの視点,かかわる人々,国を含めた支援体制等が日々刻々と変わる,それも時には正反対の方向に変わり続けている.また,気が付けば一つの事象について繰り返し紹介しているのも,被災地では,一つの公衆衛生活動に複数の意味があり,視点を変えると同じ事業に返りつくからだ.
今回報告する陸前高田市が被災直後に行った全戸訪問による健康・生活調査についても,その意味付けやこの調査に対する思い等々,実は実施して1年近くが経った今でも大きく揺れ動き,様々な葛藤を生んでいる.
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