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あとがき・次号予告
西田 茂樹
pp.422
発行日 2012年5月15日
Published Date 2012/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102436
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現在の日本人の平均寿命は,女性は85歳を超え,男性も80歳近くであり,非常に長生きとなっています.この平均寿命は,今後も維持され,あるいはさらに長くなっていくのでしょうか.記憶が正しければ,現在の長い平均寿命は,乳児死亡率が低いことを前提として,高齢者の死亡率の低さで達成されています.
以前,1920年代半ば生まれの人の60歳までの生存率を計算したことがあります.結果は数割程度でした.この人々は現在85歳を超えていますが,現在の70歳代の人々の60歳までの生存率を計算しても,若干高いものの,やはり数割程度と思われます.すなわち,現在の長い平均寿命を支えている高齢者は,数割程度が生き残った健康面で優れた人々と言えます.今後60歳までの生存率が高くなった世代が高齢者になると,死亡率が現在より高くなり,平均寿命が短縮する可能性もあると考えています.
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