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あとがき・次号予告
西田 茂樹
pp.80
発行日 2011年1月15日
Published Date 2011/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102018
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寄席で演じられる漫才や曲芸,奇術などは“色物”と呼ばれます.家畜の伝染病は農林水産部局の担当であり,公衆衛生分野では本流のテーマではありません.したがって「公衆衛生」誌の特集の中で,本号の「ヒトと家畜・ペット・野生動物の感染症」はこの“色物”に相当するようなものではないかと思います.寄席の色物がそれなりに面白いように,本号の特集を読むと,ヒトと家畜の伝染病に対する考え方の違いが際立ち,興味深いものがあります.また,感染症の分野で,われわれと農林水産の担当部局と協力できるところがあるのではないかと感じました.
家畜の伝染病以外で取り上げた感染症は,つつが虫病と日本紅斑熱を除けば,とても発生数の少ない希少感染症です.そのためか,バイオテロで注目されている炭疽やジフテリアに代わるように出現してきたコリネバクテリウム・ウルセランス感染症,わが国にも存在することが明らかになったダニ媒介脳炎,世界各地で流行を起こしているチクングニア熱などについては,公衆衛生従事者にはほとんど知られていないと思われます.そこで,今回,これらについて勉強する機会を作ってみました.熟読して,皆さんの頭の片隅に残しておいて頂きたいと思います.
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