特集 高齢者の身近な疾患
扉
pp.343
発行日 2012年5月15日
Published Date 2012/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102409
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高齢者の健康問題というと,肺がんや胃がんなどの悪性新生物,脳梗塞やくも膜下出血といった脳血管疾患,心筋梗塞に代表される心疾患といった重篤で生命に係わる疾患,糖尿病や肝疾患などの重症化する慢性疾患,加えて認知症などが取り上げられることが多いと思われます.これらの疾患は当然高齢者の健康問題として重要ですが,さらに日常生活に大きな影響を与える高齢者特有の疾患があります.すなわち,白内障や加齢黄斑変性症といった眼科疾患,腰痛や膝痛といった整形外科疾患,耳鳴りや難聴といった耳鼻科疾患,息切れや呼吸困難を引き起こす呼吸器科疾患,尿失禁や頻尿などを引き起こす泌尿器科疾患,歯周疾患などです.これらの疾患は,一部を除いて生命の脅威となることは稀だと思いますが,多くの高齢者の日常生活に苦しみを与えるとともに,生活の質を低下させ,さらに社会参加の障害となり,場合によっては閉じこもりの原因となっているとも思われます.
そこで,眼科疾患や整形外科疾患,歯周疾患などの高齢者の日常生活に関わりの深い身近な疾患を中心にして,公衆衛生従事者が高齢者と接する現場に有益な情報を提供することを目的に,本特集を企画しました.
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