特集 放射線と向き合う
扉
pp.823
発行日 2011年11月15日
Published Date 2011/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102251
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3月11日の東日本大震災は,地震と津波による甚大な被害に加えて,東京電力福島第一原子力発電所の被災に伴う事故により,大規模な放射線災害をもたらしました.
原子力・放射線災害は,各種災害の中でも頻度が低く,実際の対策の経験者も少ないため,保健所等の公衆衛生従事者であっても,漫然とした恐怖感や不安を抱きながら,健康相談や放射線測定等を行う場面があったと推察されます.また医学教育においても,最新の放射線診断学や放射線治療学については豊富に学べますが,放射線災害(医療事故を含む)の特殊性や影響について学習する機会は乏しく,医師であっても,原発に近い避難勧告地域からの患者の受け入れに忌避的な態度を示すといった事例がありました.
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