特集 分子遺伝疫学
扉
pp.731
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101890
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ゲノム解析が進められていくのに伴って,分子遺伝疫学として,分子レベル,遺伝子レベルで疾病のリスクが調べられています.これはヒトのDNAの塩基配列と疾病を結び付ける試みで,DNA上の特定部位に特徴的な塩基配列パターン(遺伝的多型)を持つことによって,疾病の発病リスクが変化,増大するかについて研究が進められています.またゲノム解析が進んだ結果,遺伝子と疾病の関係についても新しい事実が発見されています.多くの疾病は生活や環境等の多様な要因が複雑に作用して発病するため,遺伝要因だけで疾病発病のリスク全体が決まるとは考えられません.
しかし,遺伝要因が基礎となって疾病が発病しており,疾病発病にある程度遺伝要因が作用しているとは考えられます.したがって,遺伝子を検査することにより,遺伝的にある疾病を発病しやすいことを知ることができれば,より予防に熱心に取り組み,発病を防げるようになる可能性もあります.
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