特集 検証「パンデミックインフルエンザ2009」
扉
pp.635
発行日 2010年8月15日
Published Date 2010/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101863
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2009年の春,豚由来と呼ばれる新型インフルエンザのアウトブレイクがメキシコ等から報告されました.流行はあっという間に全世界に広がり,6月にはWHO(世界保健機関)が世界的大流行(パンデミック)を宣言.それから早くも1年以上が経過しました.
鳥インフルエンザウイルス(A/H5N1)から変異した高病原性の新型インフルエンザのアウトブレイクを想定して行動計画を作成し,発熱外来の準備や医療体制確保等の訓練を実施してきた国,地方公共団体およびその関係機関(保健所等)にとって,パンデミック宣言の時点でも高病原性でなかったことは幸いでした.しかし,国内侵入警戒当初における空港での厳格な検疫や,患者の入院隔離等の対策が,パンデミック宣言後に批判的に評価されたり,新型インフルエンザ対策に関する政府の「基本的対処方針」および医療の確保や学校の臨時休業等に関する「運用指針(厚労省)」に基づく対策が地域によってはうまく機能しないなど,様々な課題が浮き彫りになりました.
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