連載 地域保健従事者のための精神保健の基礎知識・7
一般住民中の精神疾患および精神保健的問題
立森 久照
1
1独立行政法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所
pp.603-606
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101851
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はじめに
精神保健の問題は,国民健康の大きな課題と言われています.では地域における精神疾患や精神保健の問題は,どれほどの大きさなのでしょうか.
例えば,今日本に精神疾患を有する人は何人ぐらいいるのでしょうか.そうしたことについての情報は,断片的に目にする機会は多いと思いますが,研究者や行政関係の方を除いてはまとめて情報を得る機会はあまりないのではないでしょうか.
そこで本稿では,精神疾患に加えて自殺やひきこもりのように,それ自体は精神疾患ではありませんが精神疾患との関連があり,精神保健の観点からも対策が必要であると考えられるものについて,それらが日本の地域住民においてどのぐらい存在し,それが社会にどれだけ影響があるのかを,量的な側面から見てみたいと思います.こうした情報は,個々の地域住民に対して,ふさわしい精神保健的な支援を具体的に考える上では直接役立つものではありませんが,地域全体,もしくは日本全体の精神保健の戦略を考える上では,どうしても必要なものです.
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