連載 お国自慢―地方衛生研究所シリーズ・2
富山県衛生研究所
倉田 毅
1
1富山県衛生研究所
pp.435-438
発行日 2010年5月15日
Published Date 2010/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101810
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研究所沿革
富山県衛生研究所は,1960年に富山市のほぼ中心地(富山市大手町,現富山国際会議場)に設立され,1982年には,第4次富山県総合計画および第5次住みよい富山県をつくる総合計画に基づいて,現在の射水市(当時,射水郡小杉町)に移転した.射水市は富山市と高岡市の間に位置し,ベッドタウンとして宅地化が進んでいる.近くには県立大学があり,学生用アパートも増えている.研究所までは,JR小杉駅で下車した後,緩やかとはいえ上り坂が2.7kmも続くため,盛夏や降雪期などは徒歩で通うのはつらい.地方に共通の悩みだが,公共交通機関は少なく,通勤はもっぱら自家用車に頼らざるを得ない.このことは車の免許を持たない人にとっては大悲劇ですらある.
研究所は3階建の施設である(写真1).平成元年に,がん研究部,ウイルス部,細菌部,化学部,環境保健部の5部門が整い,1992年には総務課,2000年にはさらに富山県感染症情報センターが設置されて現在に至っている.各部6~7名の定員で,所長,次長,総務課とあわせて,2009年5月現在36名の職員が在籍している.富山県は,東南に立山連峰(立山,剣岳),南に薬師岳をあおぎ,北は富山湾に囲まれる.山は美しい,立山から流れ出る水はうまい,その水で育つ魚は日本一うまい.県民性は,実に質実剛健,屁理屈を言わずコツコツと働き,常に前に向かい建設的である.“自虐反省”という日本の国の悪しき風習が余り見られないことは素晴らしい.
以下,各部署について紹介していきたい.
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