視点
わが国の食品産業と公衆衛生の役割
川久 通隆
1
1兵庫県健康福祉部生活消費局
pp.396-397
発行日 2009年6月15日
Published Date 2009/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101576
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2001年にわが国で初めてBSE牛が確認され,引き続いて高病原性鳥インフルエンザが国内各地で発生し,また,輸入食材の有害物質汚染や表示の偽装,改ざんなどが次々に明るみとなり,消費者に食品の安全性や信頼性に疑問を感じさせることとなった.
もともと,日本人には清潔さを大切にする国民性があり,「安心を生産者や供給者側にゆだねるいわば性善説に立った購買行動上の感性」がある.そうであるがゆえに,一度裏切られるとなかなかその商品は購入しないなど,食の安全についても当然のこととして強い関心を持つ国民の間に,食品産業に対する不信感が一挙に募り,食の安全に対する信頼は大きく揺らぐこととなった.
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