連載 研修医とともに学ぶ・12
医療機関立ち入り検査と感染性廃棄物のゆくえ~病院から出たごみは何処へ行く~
嶋村 清志
1
1滋賀県甲賀保健所
pp.390-391
発行日 2009年5月15日
Published Date 2009/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101564
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「地域保健・医療」研修における対物保健分野の方略として,生活衛生分野(本コラム第6回:食肉衛生検査所・第7回:動物保護管理センター)の重要性についてはご紹介しましたが,今回は医療機関立ち入り検査と環境保健について考えてみたいと思います.環境保健については,とりわけ廃棄物対策は公衆衛生の現場で非常に重要なウエイトを占めているにもかかわらず,研修方略として取り込まれていないところもあるようです.
そもそもわれわれの生活を根底から支えている安全な水や空気,食品などは,恒常的かつ適正に処理されている下水処理や廃棄物処理の恩恵の上に成り立っていることを忘れてはなりません.日本が経験した水俣病やイタイイタイ病,四日市喘息といった公害は決して過去のものではありません.公害被害者の苦しみを無にしてはならないと思います.研修医にはこれから先も医師として,環境と住民(臨床)の間には関連があることを忘れないでほしいと思っています.
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